今、長期米国債(TLT/EDV)へ投資すべき理由 ー2023年の投資戦略ー

3月10日。株式相場に激震が走った。
全米16位の資産規模を持つシリコンバレー銀行(SVB)、経営破綻したことで米株は急落。
一晩でNASDAQが▲1.8%、S&P500が▲1.5%。
2008年に発生したリーマン・ショック以降で最大の米銀破綻です。

ねこマンは、現在の高金利下において、割安となっている長期米国債を購入する戦略をとってきました。昨年秋頃から買いはじめ約2,000万円程度を保有しております。

割安という点に加え、株式相場が不安定な状況において株と逆の動きをする長期米国債を保有することで

暴落時のガードができるためです。

実際、先日の暴落で株価暴落の煽りを受けるもPFはプラス。EDV、TLT合わせて100万円近く価格が急騰しました。

3月2日つぶやき
3月11日時点 SBI証券
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長期米国債とは

ETFティッカーシンボル

ここで言う長期米国債とは、償還年限(デュレーション)が20年以上のものを指し、ETFとしては、TLT、EDVが挙げられます。EDVの方がデュレーションが長くガード効果も高い一方で、ボラティリティが高い点はご留意下さい。
生債券でも良いのですが、買い付けのハードルが高い点と流動性の観点からETFを買っております。

なぜ、今長期米国債なのか

ここ十年で一番の割安

まずは、債券の基本。
債券は基本的に金利と逆の動きをします。
理由は、以下でわかり易く解説されているため解説は譲ります。

2022年2月以降、インフレ抑制のためFRB(米中央銀行)が強固な金利上昇を実行したため、債券(社債、米国債)が下落。

TLT、EDVは歴史的な買い場であると思います。(2023年8月現在)


米国債の金利との相関性は償還年限(デュレーション)と関係があり年限が長い程金利の上下に対して、大きなブレを起こします。イメージとしてはテコ(ORシーソー)の棒が長い程、上下の振れ幅が大きい感じです。

配当利回りが高い

例えば長期米国債のEDVでは利回りが3.86%と3%を超えるまで価格が下落しております。3%というと高配当ETFのVYM相当ですのでより、安全資産である米国債でこの利回りなら文句なしです。

また有名なTLTですとほぼ同じ3.47%程度です。ただし経費率がEDVより0.1%高いです。

ちなみに、安定した高配当を狙うならBDC銘柄であるARCC(エイリス・キャピタル)もおすすめです。
2023年現在だと、Webull証券で買えます。

暴落時のガードとなる

米国債は、金利上昇局面には株式同様弱く、下落。つまり似たような動きを見せます。
2022年がまさにそうで株式と共に下落しました。
一方、安い時に仕込めば暴落時の優秀なガーディアンとなります。
以下をご覧ください。コロナショック(2020年3月)の暴落時に見事に暴騰してますよね?

青字(S&P500)が40%暴落に対して、黄色(TLT)は同様に40%の爆上げ
社債を中心とした債券BND、AGGは株式と同じく暴落するためガードはできません。
この際、米国債を売却し、暴落したS&P500やNASDAQ指数を買う(リバランス)ことでより格安で株式が手に入る上、強固なポートフォリオが完成します。

黄色TLT

これは金融不安が起きたリーマンショック時も全く同様でした。つまり、PFに組み込むことで下落率を抑えることが可能なのです!

投資初期は、株式100%でもいいと思いますが、投資規模がある一定、3000万円を超えたあたりからは、1日の動きも大きくなってくるため、暴落耐性が低い方はPFの30%程度入れることをお勧めします。

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金利下落局面での爆益の確率が高い

金利と債券価格は逆相関。これは市場原理でもあり、ファイナンス原理でもあるため今後の爆益が読みやすい。
当然最高金利の現在に仕込めば、リセッション時に政府が金融緩和した際、上昇することは原理原則からすると自然。

信頼性が高い

まず債券の発行体である米国政府は、世界の基軸通貨であるドルの発行権を保有。インフレを無視すれば最悪ドルを刷れば返済可能。これにより、米国債は世界最大の債券市場で、

事実上リスクゼロの資産の一つとみなされている

また、ある債務がデフォルト事由に抵触すると、他の債務もデフォルトとみなされるクロスデフォルト条項が、米国債にはない。つまり、利払いや償還が履行されなかった債券のみがデフォルトとみなされるため連鎖的に保有している債券が紙屑となることはないからです。

これが現代のファイナンス理論において、米国債が無リスク資産(リスクフリー資産)と位置付けられる理由ですね。

PFの全体パフォーマンスが上がる

上記で、暴落耐性が低い人と申しましたが、実は、万人にもお勧めできるのです。
以下ご覧下さい。過去のデータよりバックテスト(シミュレーション)をして見ました。

青長期米国債30%、赤株式100%

いかがでしょうか?青線が(VTI70%、TLT30%)、赤がS&P500です。

ここで注目すべきは、

Max Drawdown(最大下落率)がなんと!赤では51%に対し、青は31%と20%も下落が抑えられている

点です。これは上述のガード効果によるものです。

また、

Sharp Ratio(リスクに対するリターン指標で大きいほど有利)もやはり赤の方が高い。

最終的な利益は株式100%の方が優勢ですが、それでもリーマンショック、コロナショック時の下落をガードできる点を考えると魅力的ではないでしょうか?

如何でしたか?長期米国債をPFに組み込むメリットを記事にしてみました。
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コメント

コメント一覧 (3件)

  • ねこまんさんはドルをたくさん持っていてそれを原資に購入しているのですか?
    今からドル転すると、米国債も為替に負けそうでなかなか買い増し出来ず、TMFのようにレバレッジをかけないといけないかなと思っています。

  • ごんじゃさん

    ねこマンはEDVは手持ちのドルで購入しました。
    おっしゃる通り現在の為替レートでは将来の円高時に為替負けするリスクがあります。

    従い、ご推察の通り1ドル133円の時に、3倍レバレッジETFであるTMFを購入しました。
    1案として為替ヘッジありのETFを購入するという手もありますが、ヘッジコストは日米金利差が毎年かかるため、TMFを実質ヘッジとみなす戦略です。

  • ご返信ありがとうございました。やはりそうなのですね、流石です!!
    それなりの期間米金利は水平の可能性もありますし、頃合いを見てTMFを買い増ししたいと思います。

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